近所の崖崩れ地形解析

2023年6月。梅雨時の大雨で近所の生活道路ののり面が小さく崩れました。比較的暇な時なら、災害が起こった時どういう場所で起こったものなのか地形くらいは確認しておこうと心がけています。

崖崩れのようす。吹き付けされた斜面の一部が崩れました。

というわけでいつものように静岡点群をダウンロードして様子見。詳しい場所はまあ、小さい災害で人的被害などもなかったようですので割愛します。

崩壊箇所とその周辺の地形 等高線間隔は1m

崩れた場所の西側にある小段のある斜面は吹付のり面です。崩れた場所の上部には崩壊跡地があって、その上は何かの施設がある平坦地になっているようです。吹付のり面の上からの水も含めて表流水が集まるような場所に見えます。今回崩れたのはのり尻に当たる部分ですが、このあたりのデータはちょっと疎になってしまってはいます。まあ、上の写真のような植生なので仕方ないですね。斜面上部のデータは良好に見えます。

斜面勾配と断面

上部斜面の勾配を見てみると上部は45度を越えるくらいの急傾斜で途中緩斜面をはさんで、斜面下部の崩れた吹付付近は50度くらいの切土になっていました。

累積流量

上部にまあまあ急な集水地形があって、流れてきた水が吹付の裏に入って崩れた、という感じかなぁと思います。水の集まり方を見てみたいなぁと思い、水系解析の途中でできる累積流量を使ってみました。なるほど、今回崩れたところに水が集まる様子がわりと良くわかりますね。累積流量のデータは水系網を作る途中成果としてあまり利用してきませんでしたが、こうしてみるとなかなか興味深いです。連続した斜面内に、崩れた箇所と同じように水が集まるところが何か所かありますので、のり尻部分で水がどのように処理されているのかなど確認しておくといいのかもしれません。

のり尻部分での累積流量をグラフにしたもの。今回崩れたところは一連の斜面の中でも比較的水が多く流れる場所だったようですね。崩れた場所から東に30mほどの場所の方が累積流量が多いですが、この場所に吹付は設置されていませんでした。やはり吹付の裏に水が入ってしまい、あまりうまく排水できなかったことが原因のように思えます。


使ったデータ

VIRTUAL SHIZUOKA 静岡県 富士山南東部・伊豆全域 点群データ


この文章は2023年7月に書き始めて途中放置して12月に公開しました。